幼虫が羽化するまでに発生する、蛹(サナギ)の期間。

 

特にカブトムシやクワガタ虫の幼虫を

育てている場合などは、早く蛹(サナギ)を破って

成虫が姿を見せてくれないかと

待ち遠しくなりますよね。

 

しかし、外から見えない蛹(サナギ)の中身

どのようになっているのでしょうか?

 

この記事では、

カブトムシや蝶などの蛹(サナギ)の中身は、

どうなっているのかについて、紹介していきます。

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そもそも蛹(サナギ)って?蛹(サナギ)にならない虫もいるの?

昆虫が、幼虫から成虫になるまでの

最終段階である蛹(サナギ)。

 

食事もとらずに、ひたすらじっと固まって

過ごす蛹(サナギ)の時期は、

外から見ると、生きてるのか死んでるのか

判断がつかないような状態ですよね。

 

昆虫が羽化する前の段階、といっても

全ての昆虫が、蛹(サナギ)になる訳ではありません。

 

蝶やカブトムシや、クワガタなどが

蛹(サナギ)になる一方、

バッタやカマキリなどは、蛹(サナギ)の時期を経ずに

幼虫から成虫に成長します。

 

では、蛹(サナギ)の時期がある昆虫

蛹(サナギ)の時期が無い昆虫には、

どのような違いがあるのでしょうか?

 

蛹(サナギ)の時期がある!完全変態とは何か?


参考元:https://pixabay.com/

蝶やカブトムシのような昆虫は、卵から成虫までを

以下のような過程で過ごします。

 

卵→孵化→幼虫→蛹(サナギ)→羽化→成虫

 

このような成長過程は“完全変態”と呼ばれます。

 

完全変態する昆虫にとって、幼虫の時期

たくさん食べて、脱皮を繰り返し

体を大きく成長させる期間です。

 

そして、成虫の時期

縄張りを飛び回って

子孫を残すパートナーを探す期間です。

 

そして、その間にある蛹(サナギ)の時期

繁殖という、大きな目的に備えて

体をリセットする期間なのです。

 

 

蛹(サナギ)の時期がない!不完全変態とは何か?


参考元:https://pixabay.com/

バッタやカマキリ、トンボなどの昆虫は

卵から成虫までを、

以下のような過程で過ごします。

 

卵→孵化→幼虫→成虫

 

このような成長過程は“不完全変態”と呼ばれます。

 

不完全変態の昆虫は、幼虫時と成虫時で

大まかな体の作りが変わらない

という特徴を持ちます。

 

ヤゴ(幼虫)の時期は、水の中で過ごし

成虫になったら、地上生になるトンボのように、

生活の場が変わる種も存在します。

 

 

幼虫の時期から全く変わらない!無変態とは?


参考元:http://photozou.jp/

他にも、昆虫の中には

幼虫と成虫で、全く姿が変わらない

ものも存在します。

 

幼虫の姿のまま脱皮を繰り返して

そのまま成虫になるという、この成長過程は

無変態”と呼ばれます。

 

無変態の昆虫は、シミやイシノミなど

原始的な生態を持つ種に、限られます。

 

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蛹(サナギ)の中身ってどうなってるの?ドロドロって本当?


参考元:https://www.photo-ac.com/

蛹(サナギ)の時期は、体を作り替える時期、

ということを紹介しましたが

蛹(サナギ)の中身は、どうなっているのでしょうか?

 

ある時期の蛹(サナギ)を開いて、中身を確認すると

ドロドロのスープが詰まっていた、という

少しショッキングな、実験結果が報告されています。

 

幼虫は、成虫となる基盤を持った状態で

生まれてきます。

 

この基盤となる細胞は“成虫原基”と呼ばれ

体の様々な部位で発達していくのです。

 

幼虫は蛹(サナギ)の中身になると、

体から酵素を出して、細胞組織を溶かしていきます。

 

そのため、蛹(サナギ)の中身は液状になるのですが、

細胞原基や一部の筋肉などは、溶けずに残ります。

 

なんで自分の体を溶かすのか、不思議になりますが

これにもきちんと理由があります。

 

溶けた幼虫の細胞は、良質なタンパク源です。

 

蛹(サナギ)の中身の栄養豊富なスープは

成虫原基の分裂を促し、

羽や目、脚といった器官を作る手助けをするのです。

 

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カブトムシや蝶、人気の昆虫の蛹(サナギ)はどうなってるの?

では、具体的に蛹(サナギ)の中身は

どうなっているのでしょうか?

 

カブトムシクワガタといった昆虫の

蛹(サナギ)の中身について、紹介していきます。

 

カブトムシの蛹(サナギ)はどうなってるの?


参考元:https://www.photo-ac.com/

カブトムシの蛹(サナギ)の時期は、2段階あります。

 

最初の段階は、前蛹と呼ばれ

幼虫が前蛹になり始める時には、

体色が黄色く変化しだす、という特徴を持ちます。

 

体色が変化し始めると、餌を食べなくなり

自力でマットや木くずを固めて作った

蛹室に入りこみ、やがて仰向けになって

脚と口が動かなくなるのです。

 

この状態が前蛹の状態であり、

しばらくすると、体全体が固まって蛹になります。

 

蛹(サナギ)の時期は、外からの刺激に弱く

傷をつけてしまうと、中身が出てしまう恐れもあります。

 

中身が安定しない蛹(サナギ)の時期を

安心して過ごせるように、

前蛹になる直前に、蛹室を作るのです。

 

 

アゲハチョウの蛹(サナギ)はどうなってるの?


参考元:https://www.photo-ac.com/

アゲハチョウの蛹(サナギ)には、

緑色褐色の、2種類の色が存在します。

 

緑色の蛹(サナギ)になるのは、

幼虫の時から持っている、緑色色素の影響によるもので

褐色色素が誘導された場合に限って

褐色の蛹(サナギ)になるとされます。

 

褐色色素は、蛹(サナギ)になる場所の触覚刺激

誘導されるそうです。

 

ツルツルしている、ざらざらしている

といった外部からの触覚刺激は

蛹(サナギ)の状態の時に、蓄積されていきます。

 

そして、ある一定の閾値を超えると

蛹(サナギ)は緑から褐色に変化するのです。

 

外から見た時の色の違いはあっても、

アゲハチョウの蛹(サナギ)の中身は、変わらず

ドロドロのスープ状です。

 

アゲハチョウは、

およそ2週間で蛹(サナギ)から羽化します。

 

羽化する直前の蛹(サナギ)をよく見ると、

中身が透けて、

体に巻き付いた羽の模様が、観察できますよ。

 

 

クワガタの蛹(サナギ)はどうなってるの?


参考元:https://mushinavi.com/

クワガタの蛹も、カブトムシと同じく

蛹室の中で、羽化を待ちます。

 

時には人間に怪我をさせる程の力を持つ

屈強な大顎がトレードマークの、クワガタですが

蛹(サナギ)の間はとてもか弱く、

少しの衝撃で、中身に異変が生じてしまいます。

 

蛹(サナギ)の中身として、閉じこもり始めてから

およそ1ヶ月で、クワガタは成虫になります。

 

しかし、羽化の直後の成虫も

カブトムシと並ぶ、2大昆虫王者という

イメージからかけ離れた、柔らかくひ弱な状態です。

 

無理に皮から引き出そうとすると、

命を落としてしまうことがあります。

 

羽化した後も3週間程度は、

そっとしておいてくださいね。

 

 

蚕の蛹(サナギ)はどうなってるの?


参考元:http://kaikokau.jp/

絹糸を作ってくれることから、

私達人間にとって、大切な存在である

 

蚕は完全に家畜化されており、

野生には存在しない昆虫です。

 

蚕というと、頭に浮かぶのが

真っ白で、楕円形の美しいです。

 

最近では、洗顔の道具としても販売されている

蚕の繭ですが、これこそが蚕の蛹(サナギ)

 

蚕の繭は二重構造になっており、

中身が偏らないように、しっかり身を守る役目があります。

 

養蚕をしている現場では、蚕の繭を茹でて

中身を殺してから、繭から絹糸を紡いでいくため

蚕の成虫が、どんな姿なのか知らない

という方もいるかも知れません。

 

蛹化してから約10日前後で、蚕は羽化します。

そして、羽化してから10日前後で死んでしまいます。

 

蚕の成虫(カイコガ)には、羽が付いていますが

機能は退化してしまっているため、飛べきません。

 

また、カイコガの口吻は完全に退化しており、

食事をとることができません。

 

そのため、交尾をして繁殖をする目的を果たすと

飢えて死んでしまうのです。

 

なんだか、可哀想になってしまうお話ですね。

 

また、蚕は絹糸を作ってくれるだけではなく

国際的な食糧難を救う存在としても、注目を集めています。

 

古くから、中国などでは蚕や蚕の蛹(サナギ)を

素揚げにしたり、炒めたりして

食べる習慣がありました。

 

日本でも、中華街などに行くと

蚕の蛹(サナギ)や幼虫を、

メニューに載せている店がありますが

豆乳のようなクリーミーな味がするそうです。

 

蛹(サナギ)の中身は、たんぱく質がとても豊富。

 

虫が苦手な方には、嫌な話になってしまいますが

国連も食糧難対策として、昆虫食を推奨しており、

蚕の蛹(サナギ)の中身や幼虫も、

注目されている食材なんですよ。

 

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蛹(サナギ)の中身を混ぜるとどうなるの?


参考元:https://www.photo-ac.com/

蛹(サナギ)の中身がスープ状であるのなら

混ぜたらどうなるのでしょうか?

 

蛹(サナギ)の時期は、昆虫の一生の中で

最も無防備で、弱い期間です。

 

この時に、外から刺激を与えられると

羽化に失敗して、成虫になりきれないまま

蛹(サナギ)の中身は、命を落とします。

 

蛹(サナギ)自体を傷つけないよう、

慎重に中身を混ぜた場合でも

そこで細胞の成長は止まってしまうため

蛹(サナギ)は羽化することなく、

生涯を終えてしまうのです。

 

蛹(サナギ)の中身が、ドロドロの液体なら、

このスープを少しずつ、他の昆虫の蛹の中身と

交換してみれば、新種の虫が作れるんじゃないの?

 

そのような疑問を持たれる方も、

いらっしゃるかも知れませんね。

 

確かに、カブトムシとクワガタの交雑種や

綺麗な模様の蝶の交雑種など、

誕生させられたら、面白いかもしれません。

 

しかし、蛹(サナギ)の中身は成虫原基など

羽化に必要な細胞が、一定数入っていないと

成虫になることができません。

 

そのため、スープの容量自体が同じになるよう

蛹(サナギ)の中身を交換していっても、

成虫が誕生することはなく、

蛹(サナギ)のまま死んでしまうのです。

 

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蛹(サナギ)は進化の証?


参考元:https://pixabay.com/

昆虫の蛹(サナギ)の時期についての、

説明をしてきましたが

振っただけで死んでしまう程弱いのなら、

蛹(サナギ)の時期がある昆虫って、不利じゃない?

と感じてしまいますよね。

 

確かに、トンボなどはヤゴの時期から

身体機能が優れたハンターで、羽化も数時間で完了します。

 

そのため、全く身を守れない時間が

完全変態をする昆虫と比べ、格段に少なくて済むのです。

 

しかし、昆虫全体の進化という観点で見ると

無変態→不完全変態→完全変態

進化していっていると、考えられています。

 

実際、無変態の昆虫や不完全変態の昆虫の祖先は

古生代から存在したとされますが、

完全変態をする昆虫の祖先が、誕生したのは

中生代以降と推測されています。

 

昆虫の蛹(サナギ)については、

不明な点がまだ多くあるため

何故、昆虫が完全変態をするように進化したのか

についても、分かっていません。

 

しかし、一説には蛹(サナギ)の段階を挟むことによって

寒冷期を乗り越えられるように進化したのではないか

とも考えられています。

 

確かに、現生している昆虫の中でも

成虫では越冬できなくても、

蛹(サナギ)の状態であれば越冬できる種が、見られますよね。

 

一見、ひ弱に感じられてしまう蛹(サナギ)ですが

実は過酷な環境から身を守るための

シェルターの役目も、果たしているのかもしれません。

 

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いかがでしたでしょうか?

 

動かず、地味な印象がある蛹(サナギ)

 

しうし、蛹(サナギ)の中では

幼虫が自らの体を溶かして、作り替えるという

壮大な行為が行われていたんですね。

 

暖かくなってくると、

カブトムシの幼虫を飼育したり

公園や野原で、昆虫の蛹(サナギ)を見かけることも

増えてくるでしょう。

 

刺激しないように、そっと観察してみると

今まで気付かなかった、発見があるかもしれませんよ。

 

以上『蛹(サナギ)の中身って蝶やカブトムシはどうなってる?混ぜるとどうなるのかも紹介!』の記事でした!

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