寒い露、と書いて「寒露」(かんろ)。
10月中旬、秋も深まって
自然も深く静まり
風は冷ややかに流れます。
少し肌寒い風と
きれいな青い空が、
いつのまにか
季節が移っていることを
感じさせてくれます。
秋の終わりが近いころ、
水に写る日の光や
色づいた木の葉に覚える
最後の輝きが眩しい季節です。
今回は2022年の寒露について、
いつ頃なのか、その時期と由来
この節季の食べ物や
イベント、過ごし方のアイデア
などについて紹介しましょう。
2022年の寒露はいつ?
2022年の「寒露」はいつでしょうか。
秋分を過ぎて
日暮れも早くなり、
いつしか長くなった夜は
気温が低くなっています。
外出するなら
上着をもう一枚、
余計に掛けてゆきたいころ。
2022年の寒露は10月8日です。
秋分を過ぎて一つ目の季節
仕事終えて会社を出るころには
夕焼けが街を染めています。
季節は晩秋、
2022年の寒露の節気は
10月8日から10月23日の
16日間になります。
二十四節気をさらに細かく分ける
七十二候では、寒露の節気は
初候、鴻雁来(こうがんきたる)
次候、菊花開(きくのはなひらく)
末候、蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)
に分けられています。
寒露の起源や由来は?
「寒露」は
「露に寒さを感じる」季節です。
秋分を過ぎて、いつしか
一日のうちの夜の時間が
長くなっています。
朝の空気はしっとりと
夜露に潤って少し冷たく、
気持ちのよい夜明けの時間を
続けてくれるようです。
特に日没が
日に日に早くなってゆき
いつの間にか赤く染まった空を
目にする日が多くなってきます。
昼間の深く青く澄んだ空と
夕方の赤く染まる空、
空気のきれいなところでは
雲が赤紫に染まって
この世のものとは思えないほど。
遠くなった空と
街影に映える赤い雲、
いつもの家路につくよりも
寒くなる前にどこかで
温かい物でも飲みませんか。
寒露ってどうやって決められているの?
寒露は秋分の直後。
秋分で昼と夜が
均等になったあと、
日を追うごとに夜の時間が
長くなってきています。
太陽の動きを地球から見た場合、
太陽が一年で一周する間に
24の節気が過ぎるので
一つの節気の間に、いつも
太陽は15度移動します。
春分のときの太陽の位置を0度とすれば
秋分の時には
太陽は春分の逆の位置、
180度の位置にあります。
寒露では、秋分から一節気
進んでいますので、
その15度後ろ、
太陽は春分のときからみて
195度の位置にあります。
この太陽の回る軌道を「黄道」、
角度を使った太陽の位置の
測り方を「黄経」といいます。
寒露とは太陽が
黄経195度の位置に来る節気を
さします。
2022年の寒露に行われる全国の行事やイベントは?
出典:https://pixabay.com/
寒露はまだ秋の風情が残る
美しい時候です。
昼間は過ごしやすい、
とはいえ少し肌寒く
厚めに着込んだ秋の装いが
街をいつもより
お洒落に彩ってくれます。
秋の収穫祭に関連する
重要なお祭が多い季節です。
2022年の寒露の時期に行われる
イベントについて
いくつか紹介しましょう。
秋の高山祭り
岐阜県高山市で行われる二大祭り
春の高山祭りを山王祭、
秋の高山祭りを八幡祭といいます。
秋の祭では、屋台と言われる
二階の屋根まで届くほどの
高さの矢倉が
八幡宮の参道に並びます。
宵祭には屋台に
灯りをともして町をめぐり
寒露の夜の高山を
いつもより美しく飾ります。
2022年の秋の高山祭りは
10月9日、10日の二日間
宵祭は10月9日です。
伊勢神宮神嘗祭
三重県伊勢市の「神宮」は
日本神話に伝わる太陽の神、
天照大御神(あまてらすおおみかみ)と
衣食住の神
豊受大御神(とようけのおおみかみ)を
祀っています。
天皇家の氏神として
古代においては皇室以外の参拝が
禁じられた「神宮」では
年間に1500を超える式典が
行われています。
中でも10月の
「神嘗祭」(かんなめさい)は
最も重要な行事で
秋の実りへの感謝、
皇室の繁栄、
五穀豊穣、
国家隆盛と国民の平安を祈り
神宮の125の社宮の全てを渡って
連日、行われます。
2022年の伊勢神宮神嘗祭は
10月15日から始まります。
15日、16日が豊受大神宮(外宮)、
17日、18日が皇大神宮(内宮)で
その後、宮を移しながら
10月25日まで行われます。
なお、この宮を
「伊勢神宮」と呼ぶのは通称で
「神宮」が正式な名称となります。
京都時代祭り
京都三大祭りの一つ「時代祭り」。
平安遷都1100年を記念し
旧平安京大内裏の復元を
目指して建立された
「平安神宮」の大祭です。
平安京の文化、文物を
歴史絵巻として披露する事を
目的とするお祭で
各時代ごとに考証を行った
2000名以上の行列が
京都の町を歩きます。
2022年の時代祭りは
10月22日です。
鞍馬火祭り
京都鞍馬の山中に建つ「由岐神社」。
ここで行われる火祭りは
天慶3年、朱雀帝の詔に発するといわれる
1100年以上の歴史を持つ祭が
戦国時代の豊臣家により再興された
炎の祭りです。
国作りの神話に登場する
大国主命(大己貴命:おおなむちのみこと)と
少彦名命(すくなひこなのみこと)を
祀る由岐神社に
御所から明神を遷宮したときに
参道に篝火を焚いた様子を
再現して今に伝えます。
篝火をかける松明、
勇壮に立つ鉾、
鎧武者の乗った神輿と
力強い道具立てが印象的な祭です。
全国でただ一つの
子を抱く「狛犬」にちなんで
子授、安産祈願の神様としても
参拝されています。
2022年の鞍馬火祭りは
10月22日です。
えびす講
10月は神無月(かんなづき)、
日本中の神様が出雲神社に集まる
という俗信があります。
この例外とされ
ただ一人だけ出雲ヘ行かない神様、
えびす様を祭って
一年の無事と商売繁盛を祝います。
関東では新暦10月20日、
関西では旧暦10月20日(新暦では11月)
に行われることが多いようで
日本中のあちこちの神社で
いつも決まった日に
とり行われます。
もともとは五穀豊穣を
祝う秋の収穫祭としての
性格が強く、
取れた野菜や魚などを売る
市が立つものでした。
いつからか熊手や福笹などの
縁起物も扱われ、
今では酉の市と
溶け合って行われています。
2022年の東京恵比寿神社の
えびす講は10月22日です。
2022年の寒露はどう過ごせばいい?また由来は?
寒露は秋が深まり
草花は色づき
吹き抜ける風が愛おしく
夜が深く、長くなる時期。
2022年の寒露の頃、
去り行く秋の
名残を惜しむ過ごし方を
いくつか上げて見ましょう。
寒露は袷!
出典:https://c.imgz.jp/
和服のうち、
あたたかい時期に着る
一枚物の仕立てのものを
「単」(ひとえ)、
秋を過ぎて着る、
裏地をつけた二枚縫いのものを
「袷」(あわせ)といいます。
日が短く、夜が長くなる
寒露の時期からは
袷を着ましょう。
こちらは落ち着いた色合いの
小紋袷の着物、
カジュアルなデザインで
普段着としても使えます。
単では和服が透ける感じがありますが
袷はしっかりと切ることができ
訪問着の和服として
しとやかに美しく
いつでも着飾ることができます。
2022年の秋は
袷で過ごす時間を作ってみましょう。
寒露は紅葉狩り!
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山を染めつくす秋の風物、
紅葉狩りはいつの年も
日本の秋を代表する季節行事です。
さまざまな旅行イベントが
この時期に合わせて行われます。
山里の自然が最も目に映える季節、
食べ物も豊富で美味しく
空気もきれいで
過ごしやすいこの時期。
2022年の寒露の時期はぜひ
紅葉狩りを計画しましょう。
こちらはアウトドア用ハイキングシューズ
メレル・カメレオン。
色も鮮やかで
原色に近いのに落ち着いた色合いは
秋の紅葉の中を歩くのにぴったりです。
写真のスパイシーオレンジの他に
お好みでネイビーピンク、
ダンデライオンなどもあります。
寒露は菊花展!
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秋の花の代表とされる菊。
古来から五節句の一つとして
祝われる「重陽節」(ちょうようせつ)は
「菊の節句」としても知られています。
重陽節は旧暦9月9日ですが
新暦のこの日ではまだ
菊の時期には尚早です。
菊の節句は新暦で10月中旬にあたります。
この時期には
菊人形や観菊会などが催され、
菊酒を楽しむ風習があります。
2022年の寒露には菊花展へ
出かけてみませんか。
こちらは菊の花をあしらった簪(かんざし)。
赤と黒の簪に金で描いた菊の花
レトロモダンなデザインで
どんな着物姿にも合わせられます。
お出かけのときの髪飾りに
秋の風情を加えてくれます。
寒露はべったら市!
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薄くきった太目の大根に
甘酒の麹をまぶして漬け込んだ
べったら漬け。
恵比寿神社の界隈ではいつも
えびす講の時期に合わせて
季節の野菜の漬物を市に立て
「べったら市」を開催しています。
一旦、塩で漬けた大根を
砂糖と米、麹で本漬けした
べったら漬は
淡白な大根の味と歯応えに
塩味と甘味が合わさって
ご飯にもお酒にも良く合います。
こちらは家庭で作れる
即席べったら漬けのセット、
粉末状の米麹が入って
本格的なべったらが楽しめます。
この一袋で大根約1/3本が漬けられます。
べったら漬けは漬けたら
早いうちに食べてしまいましょう。
2109年はべったらで
寒露の季節を味わってみませんか。
寒露は赤い羽根共同募金!
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秋から冬にかけて
街角に立つ共同募金箱。
赤い羽根が目印のこの募金は
福祉施設の助成、地域防犯活動
障害者活動支援などの目的で
使われています。
2022年の寒露の時期
いつもの募金箱を
道端で見かけたら、
コーヒー一杯を我慢するつもりで
胸に赤い羽根をつけてもらいましょう。
寒露の食べ物や由来、意味は?
寒露は実りの季節
収穫の季節です。
農作物を中心に食べ物が豊富で、
普段はめったに目にしないような
草や木の実を口にすることができます。
2022年の寒露を楽しむ
食べ物を探してみました。
秋野菜
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秋の終わり、立冬の前の18日間は
「秋の土用」に当たります。
これからやってくる冬に向かって
風邪を引きやすい季節です。
2022年の寒露には
豊富な秋野菜を沢山とって
健康管理に気を配りましょう。
キャベツ、にんじん、
カブ、じゃがいもなど
新野菜とは違う
しっかりした野菜の滋味を
引き出すことの出来る
食べ方をしたいですね。
こちらは七種類の秋野菜を使った
野菜チップス。
レンコン、紫芋
にんじん、しいたけなど
秋の野菜をチップスにしてあります。
お茶うけに、
ビールのおつまみに
香ばしい秋の味覚を楽しんでください。
マツタケ
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秋の味覚の代表のきのこたち。
マツタケ、まいたけのほか
なめこやマッシュルームも
この時期が旬です。
鍋物や土瓶蒸し
網焼きや汁物など
寒い季節に合わせた
調理法が多いのも特徴的です。
特にマツタケは
人工栽培が出来ないので
旬の時期しか手に入れることのできない
「秋の味覚」です。
こちらは天然マツタケの冷凍品。
笠が開いていない
つぼみ松茸の状態で
現地で急速凍結して
香りと旨味を封じ込めてあります。
すき焼きなどの鍋物、
お吸い物や茶碗蒸しに最適、
バーベキューにしても
美味しくいただけます。
2022年の秋には
青い空の下、きのこたちに
山の恵みを分けてもらいましょう。
蓮根
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蓮根(れんこん)は
秋を通して食べることのできる野菜ですが、
いつの時期に取れたかによって
食べ方が異なります。
秋の早いうちは
柔かくて瑞々しく、
シャキシャキした食感。
秋が終わるころには
繊維が出て歯ごたえも強く
ほっくり、ねっとりした
食感になります。
2022年の秋は蓮根を楽しみましょう。
酢の物、サラダから
揚げ物、煮物、まで
いろいろな料理法が楽しめます。
レンコンチップスもおすすめです。
こちらは規格外の蓮根をつめた
九州産箱入りレンコン4kg。
大きさが不揃いですが
掘り出した泥つきのままの
レンコンは土の香りが
いっぱいです。
冷蔵庫で保存してください。
銀杏
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秋の街路で
いちょうの木になっている実、
「ぎんなん」。
街路樹から落ちた実を
そのまま剥いて食べることもできるのです。
特有の香りと
ねっとりした歯応えは
いつも口にしている
野菜や果物とは違うタイプの食べ物。
まるで木の実をそのまま
口に入れるようで、
山のけものの食べ物のようです。
栄養価が高く
感染症を予防する効果が高いことから
風邪を引きやすい
寒露の季節には最適の食材です。
こちらは殻つきのギンナン。
収穫したギンナンを新鮮なうちに
発送してくれますので
フレッシュな香りと
もちもちした感触が楽しめます。
2022年は銀杏(ぎんなん)で
晩秋の味を楽しみましょう。
刺激が強いので
食べすぎには注意してください。
柿羊羹
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秋の果物、柿
庭に柿がなっている家に育った方には
身内のような果物ですね。
そのまま皮を剥いて食べても
もちろん美味しいですが、
干し柿、柿の葉寿司、
柿の漬物、ジャムなど、
いろいろな食べ方がされています。
柿羊羹は柿を煮詰めて溶かし、
ジャム上になった果肉に
寒天と砂糖を加えて型に入れたもの。
2022年の寒露の季節、
今年の柿は羊羹でいただいてみませんか。
柿の甘さの成分を
取り出して味わう和菓子です。
こちらは「まつ月」の柿羊羹
「眠り柿 ずくし」
秋の終わりに取れた柿を
干し柿にして、
さらに3年以上寝かせて
熟成させてから羊羹に仕上げます。
江戸時代から続く和菓子の逸品、
皇室献上品です。
寒露以外の二十四節気一覧!
月の名前 | 節気 | 2022年の日付 | 2022年の期間 |
睦月 | 小寒 | 01/06 | 01/06〜01/19 |
大寒 | 01/20 | 01/20〜02/03 | |
如月 | 立春 | 02/04 | 02/04〜02/18 |
雨水 | 02/19 | 02/19〜03/05 | |
弥生 | 啓蟄 | 03/06 | 03/06〜03/20 |
春分 | 03/21 | 03/21〜04/04 | |
卯月 | 清明 | 04/05 | 04/05〜04/19 |
穀雨 | 04/20 | 04/20〜05/05 | |
皐月 | 立夏 | 05/06 | 05/06〜05/20 |
小満 | 05/21 | 05/21〜06/05 | |
水無月 | 芒種 | 06/06 | 06/06〜06/21 |
夏至 | 06/22 | 06/22〜07/06 | |
文月 | 小暑 | 07/07 | 07/07〜07/22 |
大暑 | 07/23 | 07/23〜08/07 | |
葉月 | 立秋 | 08/08 | 08/08〜08/22 |
処暑 | 08/23 | 08/23〜09/07 | |
長月 | 白露 | 09/08 | 09/08〜09/22 |
秋分 | 09/23 | 09/23〜10/07 | |
神無月 | 寒露 | 10/08 | 10/08〜10/23 |
霜降 | 10/24 | 10/24〜11/07 | |
霜月 | 立冬 | 11/08 | 11/08〜11/21 |
小雪 | 11/22 | 11/22〜12/06 | |
師走 | 大雪 | 12/07 | 12/07〜12/21 |
冬至 | 12/22 | 12/22〜01/05 |
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いかがでしたか。
晩秋の寒露の候、
秋を心行くまで楽しみ、
味わいつくしましょう。
見つめていると
気持ちがあたたかくなるような
秋の空、
吸い込まれるような青さの奥に
凍りつくような鋭さを感じます。
周りをみれば
彩りに満ちた豊かな世界が広がり
そして
日差しは次第に弱くなっていきます。
以上、『寒露2022年はいつ?食べ物は何をたべるのか、過ごし方の意味や由来なども紹介』の記事でした。