二十四節気の一つ、夏至(げし)。
夏の盛りのような響きですが
実際にはこの日は
まだ梅雨の最中で、
夏らしくなるのはこれからです。
一年で最も日の長いこの日から
始まる季節は
6月末から7月始めという
時期にあたるため、
日本中の寺社の大祓い
の時期とも重なっています。
今回は2022年の夏至について、
いつ頃なのか、その時期と由来
この節季の食べ物や
イベント、過ごし方のアイデア
などについて紹介します。
2022年の夏至はいつ?
2022年の「夏至」はいつでしょうか。
夏至は太陽の運行にかかわる出来事で、
日照時間の一番長い日、
つまり昼が一番長く
夜が一番短い日のこと。
2022年の夏至は6月22日です。
季節を区分する
二十四節気の一つとしては、
この日から次の節気である
「小暑」までの期間が
盛夏(仲夏)の後半にあたります。
この期間は2022年の
カレンダーでは
6月22日(土)から7月6日(土)
の15日間です。
二十四節気をさらに細かく分ける
七十二候では、夏至の節気は
初候、乃東枯(なつかれくさかるる)
次候、菖蒲華(しょうぶはなさく)
末候、半夏生(はんげしょうず)
に分けられています。
夏至の起源や由来は?
夏至は一年で一番
昼が長い日です。
四季の移り変わりを告げる
重要な四つの時節の一つで
春分、夏至、秋分、冬至を
「二至二分」といいます。
春分と秋分は
昼と夜の長さが同じ日、
そして春分を過ぎると
日ごとに昼が長くなってゆき
夏至の日に一番長くなり、
そして夏至を過ぎると
日ごとに昼が短くなって
いつのまにか秋になって行きます。
2022年の暦では
春分が3月21日
夏至が6月22日
秋分が9月23日
冬至が12月22日
になります。
この四つの時期に基づいて
春分と夏至の真ん中が立夏
夏至と秋分の真ん中が立秋で
立夏から立秋までの期間が
「夏」になります。
このようにして二至二分の間に
立春、立夏、立秋、立冬を
「四立」として定め
一年を「二至二分」と「四立」
の「八節」に分けます。
この八節のそれぞれを
さらに三つづつに分けたものが
二十四節気です。
この二十四節気は
いつ作られたのでしょう。
実はこれは中国の戦国時代に
農事の基準になる
自然の動きを季節として
表すために作られた暦です。
但し、二十四節気とは別に
夏至そのものは
中国、日本に限らず
太陽が出ている時間が
一番長い日として
世界中の民族や国で
昔から重要な日として
とらえられています。
夏至ってどうやって決められているの?
夏至は一年で一番昼が長い日ですが、
昼が長いのがいつなのかというのは
どうやって分かるのでしょうか。
昼の長さというのは
太陽が当たっている時間が
短いか長いか、つまり
日の出がいつで日没がいつか、
ということです。
日の出と日没がいつかは
自分が地球上のどこにいるかで
変わってきますが
その地域に日の当たっている時間は
地球と太陽の位置関係で決まります。
地球は太陽の周りを公転しています。
地球自体も自転していますが
その自転軸(地軸)は太陽に対して
少し(約23.5度)傾いています。
このため、
地球が公転する軌道上の
どこにあるかで
地球から見た太陽の角度が
かわってしまいます。
地軸が太陽に向かって
北半球側に一番倒れている状態で、
北半球に一番
日が当たることになります。
この日が夏至になり
2022年には6月22日が
この状態になるということです。
太陽と地球の位置関係は
刻々と変化していますから
精密に言えば
2022年6月22日の
「夏至」の一日の中でも
地軸の太陽に対する角度は
変わっていきます。
これはこの一日のなかでも、
太陽が北半球にあたる面積が
一番大きい時があるということです。
2022年の場合、この「時」は
6月22日0時54分。
この時刻は午前1時ごろで、
真夜中になってしまうので
この時間が夏至ですと言われても
ぴんとこないかもしれません。
日本では真夜中であるこの時刻が
2022年の中で一番、
北半球に日が当たっている
時刻なのです。
夏至の日をいつと定めるかというときは
この時刻を含む日を「夏至」とします。
したがって、2022年の夏至について
例えば日本との時差が13時間ある
アメリカのニューヨークでは
この同じ時刻は
2022年6月21日の午前11時54分ですから
2022年のアメリカの「夏至」は
6月21日(金)になります。
海外で夏至のお祭に
参加したいという方、
夏至の日付は国によってずれるので
いつも日本のカレンダーと同じ日には
ならないということに
気をつけてください。
2022年の夏至に行われる全国の行事やイベントは?
出典:https://live.staticflickr.com/
夏至の日を祝うイベントが
いくつか知られています。
また、夏至の時期はいつも
6月末日が含まれるので
全国の寺社で大祓いの
祭事がもたれる時節でもあります。
2022年のこの時期のイベントを
いくつか紹介しましょう。
二見の夏至祭
太陽の神格化とされる
天照大神(あまてらすおおみかみ)は
日本神話の女神の一人で
伊勢神宮に祀られています。
三重県伊勢市の二見興玉神社では
この日に「夏至祭」が執り行われます。
2022年の夏至祭は6月22日、
当日、夜明け前に
神社本殿に集まった人々が
夜明け前に白装束で
二見浦の清渚の浜に入り
夫婦岩の間から昇る日の出を拝む
禊めの行事です。
夏越の祓(なごしのはらえ)
旧暦の6月末に
今年前半の半年間の穢れを祓う
ための行事ですが
現在は新暦で
全国各地の神社で
夏祭りとして行われています。
茅(ちがや)の草を編んで
輪の形にしたものをくぐる
茅の輪(ちのわ)くぐり
という祓いの儀式です。
2022年の6月30日
いつも通っている神社の境内に、
草で編んだ人が通れるほどの
大きな輪が立ててあるのを見たら、
立ち寄ってみてください。
人の形に切った紙、
形代(かたしろ)を
自分に見立てて
川や海に流す行事を
行うお祓いもあります。
夏越の祓は日本中の神社で
行われています。
当別町 夏至祭
北海道当別町は
スウェーデンのレクサンド市と
姉妹都市になっており
これを記念して
スウェーデンの夏至祭りを
行っています。
スウェーデンではもともと
夏至の日を重要な日として
太陽の恵みを祝うお祭り
ミッドサマーフェスティバルが
国中で行われています。
2022年には6月21日に
季節の花を編んで飾り
踊りをおどったり
伝統的な食事をとって
夏を祝います。
2022年の夏至はどう過ごせばいい?また由来は?
夏至の日には
太陽の恵みに感謝して
一日を過ごしてみましょう。
また、この時期は
日本中でいろいろな
催しが行われる頃です。
海外に出てみたい方も
世界各地で夏至の日は
いろいろな形で祝われています。
6月後半はまだ梅雨の最中、
天気は崩れやすいので
服装には気をつけてください。
夏至は日時計を見に行こう!
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太陽の動きを影に映して
時間を表す日時計。
太古の日時計として知られる
イギリスのストーンヘンジや
エジプトのピラミッドでは
夏至の日に正確に一定の方角から
日が昇るように設計されています。
古代から
天文を熟知した人たちが、
太陽の動きをいかに正確に
理解していたかは驚くほどです。
日本にも各地に設置された
日時計があります。
2022年の夏至の日には
いつも使っている
時間と時計の関係を感じてみるために、
日時計を見に行きましょう。
こちらはアクセサリーとして
身につけることが出来る
大航海時代の
日時計をモデルにしたネックレスです。
世界中で祝っている
太陽の恵みの深さに
思いをはせてはいかがでしょう。
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夏至はキャンドルナイト!
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2022年、夏至の日の夜
8時から10時までの二時間
灯りを消して
ろうそくの火で
過ごしてみましょう。
カナダの「自主停電運動」
から始まったキャンドルナイトは
電気に溢れた普段の生活を
見直すための
世界的なイベントです。
電気のない生活の
不安さや不便さを感じることも
大切な時間の使い方の一つです。
東京タワーもこの時間には
いつものライトアップを消して
キャンドルナイトをサポートしています。
こちらのペレットは
自分で手作りキャンドルを作るための
パラフィンワックスペレット。
アロマ入りのキャンドルを自作して
2022年のキャンドルナイトには
素敵な夜の時間を過ごしましょう。
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夏至は蛍狩りを楽しむ!
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夏至の時期は
蛍の発生する時期に重なります。
夜が短い季節に
光を放つ虫が出てくる
というのも不思議なことですね。
夏の短い宵闇を飛び交う蛍は
渓流沿いの山の中はもちろん
湿原や水田でも見ることができます。
2022年の夏至の頃
近くにきれいな湿原があるなら
是非とも探しにいってみましょう。
夏至はゆかたを着て過ごす!
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夏が盛りを迎える直前、
まだ空気は湿り気をおびて
不快指数が高い時期です。
汗をかきやすいこの時期は
素肌の上に浴衣を着ている
男女の姿が
とてもさまになります。
2022年の夏至に時期には
いつもの洋服の代わりに
風通しの良い服装をして
夏祭りに出かけて見ましょう。
こちらは浴衣に合わせておしゃれができる
ちりめん細工の髪飾りです。
普段の洋装とは違う
和風の髪飾りで落ち着いた浴衣姿に
ワンポイントを入れましょう。
なお、姫路の長壁神社では毎年、
夏至の時期に愛染祭りという名の
ゆかた祭りを開催しています。
2022年の愛染祭りは
6月23日~24日の開催です。
夏至の食べ物や由来、意味は?
夏至の時期は、季節感としては
夏の盛りの始まりになります。
6月~7月が旬とされる食べ物は多く、
これらの食材を使った食べ物が
夏至の時期の料理として使われます。
また、夏至の時期は農家にとって
田植えの時期で非常に忙しい頃
このため、季節感のある食事を
楽しむのは夏至のあとという場合が
多いようです。
小麦餅
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関東を中心に食べられている
夏至の時期の食べ物です。
小麦の旬は6月上旬なので
その年にとれたばかりの小麦を使って
餅を作り、これを供えて
秋の米の収穫を祈願したのです。
この小麦餅は関東の他に
奈良県でも、郷土料理として
半夏生餅(はんげしょうもち)の名で
親しまれています。
こちらのもち米は岡山県産のものですが
パッケージが900gと少量で
使いやすいサイズになっています。
小麦餅はもち米と小麦を
2:1の分量で合わせて
一時間ほど蒸した後、
塩を加えて餅のように搗いたものです。
きなこをまぶして食べるのが
一般的ですが
固くなったものは焼いて食べることもできます。
半夏生鯖
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鯖の水揚げ地として知られる若狭、
福井県では夏至の後の半夏生に
鯖を焼いて食べる習慣があります。
福井県の大野や勝山を中心に
半夏生鯖(はんげしょうさば)として
知られる風習です。
田植えの忙しい時期を終えて
体に栄養をつけるための料理とされ、
大野では家族全員が一人一本を
食べるとされています。
こちらの鯖は一夜干しの肉厚品、
3枚組みのとろさばです。
脂の乗ったとろさばを焼くと
身からあふれ出すあぶらが
食欲をそそりますね。
夏を乗り越える元気の元として
ご飯のおかずにもってこいです。
タコ
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大阪では夏至の時期に
タコを食べる習慣があります。
マダコの旬は6月から7月なので
体調をくずしやすい時期に
美味しい旬の食べ物をとる
ことで健康を保つのです。
タコの足のようにしっかりと
稲が根付き、
タコの吸盤のように立派な
稲穂が実るようにとの
祈りがこめられているといわれます。
こちらは北海道産、柳タコを
まるごとボイルして瞬間凍結したものです。
鮮度が保たれていますので
お刺身や寿司はもちろん、
サラダやたこ焼きにつかっても
瑞々しい歯応えが楽しめます。
水無月
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京都では6月30日の
夏越の祓に合わせて
水無月という和菓子を楽しみます。
これはういろうに小豆をのせて
三角形に切った涼しげなお菓子で
小豆は悪霊を祓い
三角形の形は氷を表しています。
「水無月」は6月の異名ですが
室町時代には宮中で6月1日に
天然の氷室から氷を取り寄せて
口に入れて暑気を払う
「氷の節句」という行事がありました。
当時、氷は非常に貴重で
庶民の口にははいらなかったので
宮中の行事にならって
三角形の菓子を作り、
氷の代わりに暑気を払ったとされています。
こちらは抹茶団子の水無月です。
板状の水無月とくしに刺した団子のセットで
買いやすい価格になっています。
日持ちのしないお菓子なので
冷蔵庫に入れて三日以内に
いただいてください。
さくらんぼ
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夏の果物として人気のある、
さくらんぼの旬は
6月上旬から7月上旬と短く
週替りで2週間から3週間ごとに
最盛期となる品種が移って行きます。
食べごろは収穫後2~3日という
繊細な夏至の時期の果物です。
旬のさくらんぼの新鮮な粒を
そのまま口に入れるのが
最も美味しい食べ方です。
こちらのさくらんぼ、佐藤錦は
6月上旬から6月下旬が旬となる
山形産の品種です。
酸味と甘輪の程よいバランスと
爽やかで瑞々しい味わいが
夏の暑さによく映えます。
旬が短いので2022年の夏用に
いまから予約しておきましょう。
夏至以外の二十四節気一覧!
月の名前 | 節気 | 2022年の日付 | 2022年の期間 |
睦月 | 小寒 | 01/06 | 01/06〜01/19 |
大寒 | 01/20 | 01/20〜02/03 | |
如月 | 立春 | 02/04 | 02/04〜02/18 |
雨水 | 02/19 | 02/19〜03/05 | |
弥生 | 啓蟄 | 03/06 | 03/06〜03/20 |
春分 | 03/21 | 03/21〜04/04 | |
卯月 | 清明 | 04/05 | 04/05〜04/19 |
穀雨 | 04/20 | 04/20〜05/05 | |
皐月 | 立夏 | 05/06 | 05/06〜05/20 |
小満 | 05/21 | 05/21〜06/05 | |
水無月 | 芒種 | 06/06 | 06/06〜06/21 |
夏至 | 06/22 | 06/22〜07/06 | |
文月 | 小暑 | 07/07 | 07/07〜07/22 |
大暑 | 07/23 | 07/23〜08/07 | |
葉月 | 立秋 | 08/08 | 08/08〜08/22 |
処暑 | 08/23 | 08/23〜09/07 | |
長月 | 白露 | 09/08 | 09/08〜09/22 |
秋分 | 09/23 | 09/23〜10/07 | |
神無月 | 寒露 | 10/08 | 10/08〜10/23 |
霜降 | 10/24 | 10/24〜11/07 | |
霜月 | 立冬 | 11/08 | 11/08〜11/21 |
小雪 | 11/22 | 11/22〜12/06 | |
師走 | 大雪 | 12/07 | 12/07〜12/21 |
冬至 | 12/22 | 12/22〜01/05 |
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いかがでしたか。
夏の盛りの始まりとなる夏至は
世界中で祝われている
自然のエネルギーが最も高くなる日です。
昼が一番長くなるこの日を過ぎてから
気温はどんどん上がっていき
夏らしい日々が続くようになります。
半夏生の頃に前後して
夏の風物が一挙に現われて
熱苦しい日中を
過ごしやすい宵の時間が
和ませてくれるようになります。
夏至のあと、これから迎える
一年で最もエネルギッシュな季節を
楽しむためにも
しっかり準備をしておきましょう。
以上、『夏至2022年はいつ?食べ物は何をたべるのか、過ごし方の意味や由来なども紹介!』でした。