秋が立つと書いて「立秋(りっしゅう」
季節が始まる事に
「立つ」という動詞を使うのは
最近では聞きませんね。
川風の 涼しくもあるか
うち寄する
波とともにや 秋は立つらむ
古今集に謳う紀貫之の歌は
秋の風を水面のさざ波に
移して「波が立つ」と
「秋が立つ」をかけた
立秋の歌。
最も美しい季節の始まりです。
今回は2022年の立秋について、
いつ頃なのか、その時期と由来
この節季の食べ物や
イベント、過ごし方のアイデア
などについて紹介しましょう。
2022年の立秋はいつ?
2022年の「立秋」はいつでしょうか。
立秋は暦の上での秋の始まり。
夏至で一番長くなった昼が
次第に短くなり
昼と夜が同じ長さになる
秋分までの中間点です。
2022年の立秋は8月8日です。
暦の上では秋、とはいえ
八月中旬は
いつまでも暑い日が続きます。
初秋の前半となる
2022年の立秋の節気は
8月8日から8月23日までの
16日間になります。
二十四節気をさらに細かく分ける
七十二候では、立秋の節気は
初候、涼風至(すづかぜいたる)
次候、寒蝉鳴(ひぐらしなく)
末候、蒙霧升降(ふかききりまとう)
に分けられています。
立秋の起源や由来は?
春夏秋冬、それぞれの季節の
始まりに当たる節気を
立春、立夏、立秋、立冬と言い
これらをまとめて「四立」と呼びます。
この四立から次の四立の
直前までの期間をその季節としています。
「秋」とはいつのことか、といえば
立秋から始まって
立冬の前までということです。
立秋のころは
夏の暑さがまだ引かず
一方で夜になると肌に心地よい
風が吹く季節です。
一月前のだんだん暑くなっていく
夏の勢いは収まって
残暑を楽しみ、
いつのまにか夕空や風の中に
秋の気配が感じられる時期。
時候としてはお盆の時期、
というのが一番わかりやすいでしょう。
日本中で帰省の移動があり
2022年も各地でお盆のお祭や
盆踊り、花火大会などが
行われます。
地蔵盆や盂蘭盆会という
昔ながらの行事が
行われるのはこの節季の
後半になります。
立秋ってどうやって決められているの?
立秋は夏至と秋分の中間です。
太陽の動きを地球から見た場合、
太陽が一年で一周する間に
24の節気が過ぎるので
一つの節気の間に
太陽は15度移動します。
春分のときの太陽の位置を0度とすれば
夏至の時には6つの節気が
過ぎているので90度の位置、
秋分の時は春分の反対の位置に
なりますから180度の位置。
立秋の時には夏至と秋分の中間で
太陽は135度の位置にあります。
この太陽の回る軌道を「黄道」、
角度を使った太陽の位置の
測り方を「黄経」といいます。
立秋とは太陽が
黄経135度の位置に来る節気を
さします。
太陽は常に動いていますから、
「立秋」の一日の中でも
地球との位置は刻々と変わっています。
太陽が地球に対して
正確に135度の角度になるのは
2022年8月8日の午前4時13分。
天文学的にはこの瞬間を
「立秋」といい、
暦ではこの時刻を含む日を
「立秋」と言います。
2022年8月8日のうちに
太陽が黄経135度に位置し
夏至と秋分の中間の地点にある
ということが
2022年8月8日が立秋である
ということです。
2022年の立秋に行われる全国の行事やイベントは?
出典:https://pixabay.com/
立秋の時期はお盆と重なり
日本で帰省の時期でもあることから
各地で地方色豊かな
イベントが開催されます。
町並みも神社も
いつもとはまるで違う装いになり、
縁日には露店がたくさん並んで
楽しい時間が過ごせます。
2022年の立秋の時期に行われる
大規模な行事について
その内容といつ行われるのか
いくつか紹介しましょう。
京都五山送り火
京都四大祭りの一つ、
そして日本で最も有名な
お祭の一つが「祇園祭り」。
この祭りの開催期間は
7月1日か7月31日と
まるまる一ヶ月かかる
長いお祭です。
そしてお祭を終えた後の
京都の夏の最後のイベントが
五山送り火。
京都の町を囲む五つの山に
大、妙、法、大、船型の
五つの文字模様が
火で描かれます。
2022年の五山送り火は
8月16日、
送り火の点火は午後8時です。
沖縄エイサー
エイサーは本土の盆踊りにあたる
といわれる沖縄の郷土芸能。
沖縄各地の人々が
それぞれの地域ごとに
異なる踊りを踊って
その地域を踊り歩きます。
2109年も沖縄全島で
同日に開催されるこの祭りは
島の中心地域の「太鼓エイサー」と
北部を中心とする「手踊りエイサー」
という二つの伝統的なエイサーに加え、
最近はポップスを取り入れたものや
創作の要素の多いもの
なども見られています。
2022年の沖縄エイサーは
8月23日から25日の三日間です。
エイサーそのものは
沖縄エイサー祭りの期間に限らず
いろいろな郷土行事で行われ
9月ごろまでの沖縄の各地で
いつでも見ることが出来ます。
高知よさこい祭り
立秋の時期に、
高知市が市を挙げて開催する
鳴子踊りの祭典
「高知よさこい祭り」。
登録した200チームが
それぞれに工夫を凝らした
鳴子踊りを披露して
市内16ヶ所の演舞場で
その踊りを競います。
前夜祭の花火大会
本番の高知大会
後夜祭の全国大会と
続くこの舞踏大会は
2022年で第66回を迎える
四国三大祭の一つ。
2022年の高知よさこい祭りは
8月9日から12日の四日間です。
大阪薪能
室町時代から始まったとされる
古典芸能、「能」。
かつて盛大に行われたと言う
大阪の能を再現する形で
1957年から開催されているのが
「薪能(たきぎのう)」です。
生國魂神社(いくくにたまじんじゃ)の
境内に能舞台をしつらえ
篝火の中で能、狂言が演じられます。
能面は光と影を受けて
表情を作り出すといわれます。
闇の中、火に照らされて
能面に現れる影は
どのような物語を
演じるのでしょうか。
2022年の大阪薪能は
8月11日、12日の二日間です。
2022年の立秋はどう過ごせばいい?また由来は?
夏の終わりに続く
立秋の節気。
海も山も
いつか空気が緩んで
すこし落ち着いた感じがします、
行く夏を惜しむとともに
これからくる過ごしやすい季節を
楽しむための準備をする、
趣のある季節です。
立秋は扇を選ぶ!
出典:https://pixabay.com/
秋は風が心地よい季節です。
残暑がまだ重く感じられる
この季節に
扇子を選んで秋の風を
一節気早く呼び込みましょう。
いつのまにか
風が優しくなったころには
扇子に込められた香りが
夏の余韻になっています。
こちらはシルクの生地に竹の骨で作った扇子。
ワンポイントの花の模様も夏をテーマにした
藤、あじさい、あやめの三種類です。
軽いつくりでしなやかな風を送ってくれる
女性用の扇子です。
立秋は風鈴!
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まだ明るい日差しの中に
涼しい音を響かせる風鈴。
秋の訪れを耳に届けてくれ
季節をすすめる風に気付かせてくれる
静かな納涼の瞬間を演じてくれます。
軽くうつろな風鈴の音のあとに
夏を惜しむ虫や花の影、
子どもたちの声が
あたたかく感じられます。
こちらの風鈴はガラス細工の江戸風鈴。
りんどうの色をとった澄んだ青紫のガラスは
昔ながらの宙吹きで作った、
気泡を閉じ込めたびいどろのレトロガラスです。
ガラス切断部分の鳴り口も
風鈴の音を抑えないために
切断したままのギザギザで仕上がっています。
風鈴の自然な良く響く音を
楽しみたい方には是非おすすめです。
立秋は蝉時雨を浴びに行く!
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せみは夏の盛りから秋の始めにかけて
最も鳴きわめきます。
初夏の山の
うるさいほどの蝉の声に比べて
秋口の蝉たちは
どこか寂しげで
日の暮れるのを待っているかのようです。
暑い日中に
低い木について鳴いている油蝉や
軽快な熊蝉、
時を流すような蜩の声を聞いていると
移り行く季節が
とても美しく感じられます。
里山の散策をするなら、
落ち着いた作務衣はどうですか。
夏の終わりの蝉の声が
染み渡っていく空気には
渋めの作務衣がぴったりです。
体にしっくりした軟らかい生地が
風通しのよい作りとともに
快適な着心地を楽しませてくれます。
女性用もあります。
立秋は花火!
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立秋の夜、
涼しい服装をして
火の芸能、花火を楽しみましょう。
お祭で使われる打ち上げ花火ではなく
手に持って見つめることのできる
家庭の花火も、
行く夏を送る風物詩です。
2022年の夏が過ぎていく思いの中で
また、来年の夏も
みんなでこうして楽しみたい、
きっとそう思うはずです。
こちらは花火のセット。
手持ち花火を中心に
打ち上げ花火、噴出花火を
組み合わせたバラエティの豊かな
花火になっています。
長持ちする花火や
色変わり花火など
大勢で楽しめる夏の
エンターテインメントですね。
立秋は走馬灯を作る!
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ろうそくの炎を受けて
くるくると回る影絵が懐かしい
回り灯籠「走馬灯」。
2022年の立秋には
自作の走馬灯を作ってみましょう。
四角く組み立てた行灯に
風車とお好みの切り絵を入れて
ろうそくの熱気で回るようにします。
なんだかゆっくり
時間が流れていきますね。
立秋は水中花!
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去り行く夏に別れを告げる
涼しげなに開く水中の花。
2022年の夏の終わりには
水中花を楽しんでみてはいかがでしょう。
ガラスの容器のなかに
閉じ込めた
鮮やかな花の色が
しばらくの間、夏の命の輝きが去るのを
押し留めてくれます。
こちらはお茶を作る工程を使って
グラスの中に水中花を咲かせる工芸茶。
茶を出すために水に沈めた
花茶のつぼみがほどけて
グラスの中で水を染めていきます。
立秋の食べ物や由来、意味は?
残暑の中、
まだまだ冷たいものが恋しいですね。
氷のままの氷菓よりも
もう少し香りのあるものが
楽しめる季節です。
そしてやってくる
実りの季節を迎えるために
少し速く季節を先取りしたい
そんな食べ物が嬉しい時期ですね。
水羊羹
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涼感のある食べ物として
残暑の頃の楽しみ、
冷やして食べる和菓子、水羊羹。
つやつやした外観と
つるんとした舌触りが
そこだけ夏の暑苦しさと
無縁のような
爽やかな一角を作り出してくれます。
京都の老舗から
三色そろえたカラフルな水羊羹です。
通常の水羊羹のほかに
塩水羊羹とせせらぎを加えて
三色でセットです。
せせらぎは小豆と柚子を
寒天で固めた透明感あふれる
お菓子です。
和菓子が演出する涼しさを
是非お楽しみください。
アイスコーヒー
出典:https://www.nikkiji-r.com/
真夏を過ぎて
少し涼しくなった立秋の頃から
冷たいコーヒーが美味しく感じられます。
舌を包む柔らかい苦味と
自然な甘さ、深い香りが
じっくりとした時間を
醸し出してくれるようです。
温かいままのコーヒーよりも
味の成分が凝縮された
アイスコーヒーは
飲み終わるのに時間をかけて
味わいたいものですね。
こちらは水出しコーヒー用の豆のセット。
アイスコーヒー100杯分の
お値打ち品です。
通常のコーヒーと違い
水から抽出する水出しコーヒーは
とても時間がかかりますが
できたコーヒーは苦味、えぐみが抑えれられ
澄んだ苦味が最高の
夏のぜいたくな一品です。
アワビ
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水貝の名で知られる
夏の貝料理。アワビ。
特にクロアワビは
秋になると産卵のため
身がやせるので
立秋のころが一番美味しい
季節です。
なお、東北や北海道で採れる
エゾアワビは
冬が旬になります。
こちらはアワビに、サザエとホンビノスを加えた
魚介セット。
そのままお刺身でいただけますが
チャウダーにしたりBBQにしても
夏の楽しみを一つ増やしてくれます。
日本に分布する4種類のアワビたち、
エゾアワビ以外の三種類は
全て夏のアワビたちです。
青リンゴ
https://pixabay.com/photos/
もうすぐ数え切れないほどの
果物の種類が並ぶことになる
八百屋さんの店先で、
出番を待って準備していた
青いリンゴたち。
ちょっと酸味の強い果汁と
歯を当てるとパカリと割れる
心地よい歯ざわりが楽しみです。
少しだけ、口の中が
すぼまるような刺激も
夏の終わりにぴったりです。
こちらのリンゴは
岩手県産品のシナノゴールド、
家庭用に5㎏をつめています。
かすかな酸味と
さっぱりして奄美が人気の品種です。
立秋以外の二十四節気一覧!
月の名前 | 節気 | 2022年の日付 | 2022年の期間 |
睦月 | 小寒 | 01/06 | 01/06〜01/19 |
大寒 | 01/20 | 01/20〜02/03 | |
如月 | 立春 | 02/04 | 02/04〜02/18 |
雨水 | 02/19 | 02/19〜03/05 | |
弥生 | 啓蟄 | 03/06 | 03/06〜03/20 |
春分 | 03/21 | 03/21〜04/04 | |
卯月 | 清明 | 04/05 | 04/05〜04/19 |
穀雨 | 04/20 | 04/20〜05/05 | |
皐月 | 立夏 | 05/06 | 05/06〜05/20 |
小満 | 05/21 | 05/21〜06/05 | |
水無月 | 芒種 | 06/06 | 06/06〜06/21 |
夏至 | 06/22 | 06/22〜07/06 | |
文月 | 小暑 | 07/07 | 07/07〜07/22 |
大暑 | 07/23 | 07/23〜08/07 | |
葉月 | 立秋 | 08/08 | 08/08〜08/22 |
処暑 | 08/23 | 08/23〜09/07 | |
長月 | 白露 | 09/08 | 09/08〜09/22 |
秋分 | 09/23 | 09/23〜10/07 | |
神無月 | 寒露 | 10/08 | 10/08〜10/23 |
霜降 | 10/24 | 10/24〜11/07 | |
霜月 | 立冬 | 11/08 | 11/08〜11/21 |
小雪 | 11/22 | 11/22〜12/06 | |
師走 | 大雪 | 12/07 | 12/07〜12/21 |
冬至 | 12/22 | 12/22〜01/05 |
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いかがでしたか。
残暑の中、
時に秋の気配が漂う立秋の時期
ふと見上げた空の青さや
夕暮れの雲の色に
目を奪われることが
多くなります。
お祭が終わったあとのような
夏が過ぎていく虚脱感が
体を少しづつ軽くしていくような
そしていつの間にか
背筋が延びています。
日差しはいつか
緩く、打ち解けたようになって
笑っているような風が
抜けていきます。
以上、『立秋2022年はいつ?食べ物は何をたべるのか、過ごし方の意味や由来なども紹介』の記事でした。