難しいといわれるヤマトヌマエビの繁殖ですが、
正しい手順やタイミングなど、コツをつかめば、
成功率を飛躍的に上げる事が可能なんです。
勿論、繁殖は一筋縄ではいきませんが
たからこそ成功した時の達成感は大きいので
飼育の醍醐味が味わえるのも事実ですよ。
今回はヤマトヌマエビの繁殖方法について
成功させるコツや注意点を繁殖手順にそって
便利なペットボトルの使い道もまじえつつ
分かりやすくご案内していきたいと思います。
ヤマトヌマエビの繁殖を成功させるコツとは?
タイミングを見極める事が繁殖成功のコツ!
ヤマトヌマエビの繁殖で成功のカギを握るのは
一つ一つを最適のタイミングで行う事です。
ヤマトヌマエビの繁殖では、親エビを隔離する際、
孵化後に赤ちゃんエビを元の水槽に戻す際など
タイミングをが非常に大切なポイントがあります。
タイミングを誤ると繁殖失敗の原因になるため
最適な時期を見極めることが大切ですね。
ヤマトヌマエビの繁殖は水槽の環境に注意!
「孵化する前に卵がカビてしまう」
「孵化後すぐの幼生初期に発育できない」
などがヤマトヌマエビの繁殖では
非常によく見られる失敗になります。
ですが、失敗の多くは
ヤマトヌマエビの卵や幼生に適した環境を
整えれば回避可能な事も少なくありません。
なので、ヤマトヌマエビの繁殖の成功のカギは
水温や水中の酸素量、水質、水流の強さなど
水槽環境に細心の注意を払う事にかかっています。
ヤマトヌマエビの生態をしっかり把握する!
タイミングの見極めや水槽環境の管理など
ヤマトヌマエビの繁殖に課題は多くあります。
ですが、ヤマトヌマエビの生態を知れば
いつ何が必要で何を怠ると失敗原因になるか
という理解も当然深める事ができますよ。
繁殖では、色々な不測の事態も起こり得るため
ヤマトヌマエビの繁殖に関する情報を収集し
理解を深めておく事も大切なポイントですね。
ヤマトヌマエビを繁殖させる正しい手順とは?
さて、ヤマトヌマエビの繁殖の手順ですが
メスが抱卵してから無事、稚エビに育つまでの
一連のプロセスは以下のようになります。
1. 抱卵中のメスを見つける
2. 汽水水槽を準備する
3. 親エビを隔離する
4. 隔離水槽の環境を整え孵化を待つ
5. 幼生(ゾエア)を育てる
6. 稚エビを元の水槽に戻す
繁殖の次の段階に移る準備やタイミング、
段階ごとに特に気を付けるポイントなど
様々な注意点が存在していますが、
一つ一つを実践する事が成功のカギですよ。
ヤマトヌマエビの繁殖手順1:抱卵中のメスを見つける
https://youtu.be/92pk52DsjeE
参照元URL: https://youtu.be/92pk52DsjeE
ヤマトヌマエビは、水温20度以上の環境なら
自然界の季節と関係なく繁殖可能な状態です。
メスの繁殖時期にはオスがメスを追いかけたり
交接する行動がみられ、抱卵の目安になるので
日頃から注意して観察する事も大切ですね。
尚、雌雄の見分け方ですが、
ヤマトヌマエビのメスはオスよりも大きく
少しずんぐりした体形なのが特徴です。
抱卵中は上の動画のように腹部に卵が透けて
見えているので、すぐに判別がつきますよ。
💡抱卵中のメスがいてもすぐ隔離しない!
抱卵中のメスを見つけたら、卵をよく観察して
成熟度合いを把握しつつ、親エビを隔離する
水槽の準備を速やかに始めるようにしましょう。
尚、卵の中に目が確認できる状態を発眼といい
抱卵から1~2週間程で発眼、更に1~2週間で
親エビが卵放出というのがおおよその目安です。
ここで親エビ隔離のタイミングが早すぎると
未成熟の卵が放出された結果、卵がカビて
全滅の原因になるため十分注意してくださいね。
ヤマトヌマエビの繁殖手順2:汽水水槽を準備する
参照元URL: https://youtu.be/_ckyiwCu7FQ
①汽水(飼育水)の準備
ヤマトヌマエビのメスの抱卵が確認できたら
先ずは親エビを隔離する汽水水槽を準備します。
ヤマトヌマエビは満潮で川の水に海水が混ざり
汽水になると卵を放出するといわれるので
隔離する水槽には汽水を用意しましょう。
尚、食塩水で作った汽水では卵は育たないため、
汽水は上記のような人工海水を70%に薄めるか
天然海水を一度ろ過して使うといいですね。
また、濃度を薄める際の水も水道水ではなく
元水槽からとった水を使うようにしましょう。
②水槽の準備
孵化後に幼生を同じ水槽で育てる事を想定し
水の出入りのないプラケースを元水槽に入れるか
別途、水槽を用意するようにしましょう。
尚、1リットルの水で飼育ができるゾエアは
20~40匹なので、ヤマトヌマエビを繁殖させる
水槽を選ぶ際の目安にするといいですね。
また、水槽には、元水槽の底に溜まっている
微生物やプランクトンを多く含む
腐泥という泥やウィローモスも一緒に入れると
水槽内の環境がより整うのでおすすめです。
その他、水槽にはエアレーションとフィルターも
用意しておくと、水質を悪化させることなく
よりスムーズに孵化まで持っていけますよ。
💡ペットボトルを使った簡易水槽の作り方
ペットボトルを半分に切って飲み口を下向け
もう片方のペットボトルに差し込んで固定し
隔離用の簡易水槽を作る事も可能です。
口の部分にエアレーションを設置して
水換えをきちんと行い環境を整えれば、
親エビを隔離する所から孵化、幼生の生育まで
一通りの繁殖の段階をこなす事もできますよ。
ヤマトヌマエビの繁殖手順3:親エビを隔離する
参照元URL:https://youtu.be/-stS47bgaPQ
抱卵中のメスを汽水の隔離水槽に入れると
通常、水質の変化で一両日中に卵を放しますが
もし卵を放さない場合も、そのまま隔離水槽で
水替えをしつつ放卵を待ちましょう。
この時、親エビの卵の放出を促すために、
隔離した水槽では、エアレーションを弱めて
強い水流をなくす事も繁殖では大切です。
また、上記のようなスポンジフィルターだと
放出した卵やゾエアが吸い込まれる心配がなく
隔離水槽にはおすすめですよ。
尚、抱卵後、親エビを元の水槽に戻す際は
いきなり真水に入れるのではなく水合わせして
真水に慣らしてあげてから戻すといいですね。
💡隔離前にゾエアが孵化したらどうする?
親エビを隔離する前に卵の一部が孵化し
ゾエアが放出された場合は、スポイトを使って
一匹ずつ確保し、汽水に移す必要があります。
ゾエアは真水では
1~2日しか生き延びる事ができないため
非常に手間も根気もいる作業ですが
地道に確保して汽水水槽に移しましょう。
尚、ゾエアには光に集まる習性があるので
水槽に光を当ててゾエアが集まったところで
確保すると効率よく作業できますよ。
ヤマトヌマエビの繁殖手順4:水槽の環境を整え孵化を待つ
参照元URL: https://youtu.be/T-SdqLpX12Y
ヤマトヌマエビの卵の放出は、動画のように
既に孵化したゾエア(幼生)の事もありますが
卵のまま親エビが脱卵する事もあります。
その場合、卵をそのまま放置しておくと
カビてしまうため、孵化用容器に移し
水槽内のエアレーションを強くして、
水換えを行いつつ孵化を待つ必要があります。
尚、卵の孵化用の容器は、
前述のペットボトルで代用がききますが、
上記の専用ブライン孵化器なら
より手軽に卵の孵化を促せおすすめよ。
💡親エビの放卵のタイミングとは?
一説では、ヤマトヌマエビの繁殖では
満月の頃に抱卵し次の満月で孵化する
サイクルが多いといわれているので
月齢14~15日が孵化の目安にできるんです。
他の要因も影響するため100%ではないですが
月齢や大潮が繁殖と深い関係があると
言われているので目安にしてみて下さい。
ヤマトヌマエビの繁殖手順5:幼生(ゾエア)を育てる
参照元URL:https://youtu.be/rr1BzSAZQS0
既に何度か触れていますが、ヤマトヌマエビは
繁殖の際、ゾエアという幼生の形で孵化して
稚エビに育つまで30~45日の期間を要します。
孵化したばかりの幼生の初期段階では
幼生は泳ぐ力が弱く水中を漂っている状態で
エサをきちんと食べることができず
成長できない個体も少なくありません。
なので孵化から2週間のヤマトヌマエビの繁殖は
特に細心の注意を払う事が大切です。
この時期は、水槽内の水流を弱めて
1日に数回、水槽の水を混ぜて幼生のエサになる
底に溜まった有機物を水中に撹拌してあげましょう。
また、ゾエアのふんやエサの食べ残しなどで
水質がすぐに悪化する時期でもあるので
水替えも毎日行う事が繁殖成功のコツですよ。
尚、孵化後2週間を過ぎれば、泳ぐ力もついて
エサを食べるのもどんどん上手になるので
最初の2週間が繁殖成功のカギになります。
更にゾエアは数度の脱皮を繰り返したのち、
1カ月後あたりから小さなエビの形になり
水槽の底に足を付けて生活を始めます。
💡幼生(ゾエア)のエサのおすすめは?
●腐泥(ふでい)
前述の通り、元水槽の底に溜まっている泥は
バクテリアを沢山含むので恰好のエサになります。
●茶コケ・ウィローモス・藻類など
水槽のガラス面についたコケやウィローモス、
その他の藻類は幼生の初期からエサになります。
●グリーンウォーター
水中に万遍なくエサになるプランクトンがいる
グリーンウォーターはゾエアの繁殖に
最も適しているといわれていておすすめです。
グリーンウォーターは、日当たりの良い場所に
1~2週間、飼育水を置いておくと作れますので
抱卵に気づいた時点で作れば間に合いますよ。
ヤマトヌマエビの繁殖手順6:稚エビを元の水槽に戻す
参照元URL:https://youtu.be/pxYxXE7xH24
ヤマトヌマエビの繁殖はゾエア期を過ぎて
稚エビまで育てられれば成功は目前ですが
最後まで気を抜かずに飼育する事が大切です。
卵から稚エビになるまでの飼育は汽水でしたが
稚エビになれば真水に戻すタイミングになります。
ですが、底を歩き出したばかりの稚エビは
体調が5㎜位とまだ小さいため、
元水槽では生き延びられない危険があります。
なので、もし可能であれば面倒ですが、
1~1.5㎝位になるまで別の水槽で飼育するのが
より安全に繁殖が完了でき、おすすめですよ。
という事で、ヤマトヌマエビの繁殖について
段階を追って注意点や成功させるコツを
ご案内しましたが、いかがでしたか。
ヤマトヌマエビの繁殖は簡単ではないですが
成功した達成感は、その分大きいので
ぜひ一度、挑戦してみて下さいね。
以上、「ヤマトヌマエビの繁殖方法!成功させるコツやペットボトルの使い道も!」の記事でした。