動物が生活活動を中止した状態で

冬を越すことを冬眠と言うのですが、

どんな動物が冬眠するのでしょうか?

 

また、冬眠している時の状態や

冬眠する理由はどのようなものなのか?

 

今回は、そんな冬眠する動物について

詳しくご説明していきましょう。

 

※ちなみに、「冬ごもり」は

正確に言うと冬眠ではありませんが、

今回は冬ごもりも冬眠とします。

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冬眠する動物のまとめ一覧

では具体的に、冬眠する動物とは

どんな種類の動物なのでしょうか?

 

まず、変温動物であるヘビや

亀、カエルなどの爬虫類両生類は、

自分で体温の調節ができないため

冬になると冬眠します。

 

また、変温動物だけでなく、

自分で体温調節が出来る哺乳類

18目約4070種のうち、7目183種が

冬眠すると知られていますよ。

 

大きいから冬眠するわけではなく、

体重が10gもないコウモリから

体重数百kgのクマまで冬眠します。

 

冬眠する代表的な哺乳類

・ハリモグラ

・フクロヤマネ

・チロエオポッサム

・テンレック

・オオホオヒゲコウモリ

・キクガシラコウモリ

・カグラコウモリ

・オヒキコウモリ

・ハイイロショウネズミキツネザル

・オジロプレーリードッグ

・シベリアシマリス

・ヒメポケットマウス

・モリオナガネズミ

・ヤマネ

・アナグマ

・ツキノワグマ

・ホッキョクグマ

 

上記は一部の動物ですが、

冬眠する動物の中でも特に種類が多いのは

コウモリやリス、ネズミの仲間ですね。

 

ペットとして飼育されることの多い

プレーリードックなども

実は冬眠する動物です。

 

鳥類は基本的に冬眠しませんが、

唯一アメリカに生息する

プアーウィルヨタカという種類は

冬眠する動物なんですよ。

 

野外や飼育下の調査では、

アメリカヨタカ、ヨーロッパヨタカ、

ノドジロミミヨタカも

冬眠する能力を持っていることが

分かっています。

 

 

 

動物が冬眠する理由は?

動物にとっての冬眠は、

冬場の寒さや飢えをしのぐための生存手段

 

寒い冬場は動物たちの餌になる

木の実もなく植物も枯れてしまい、

昆虫も少なくなります。

 

そのため、食料の豊富な

夏から秋にかけて脂肪を蓄えて

食料の乏しい冬は出来るだけ動かず、

春が来るのをじっと待つのです。

 

長く厳しい冬を乗り切るため

体温や心拍数を極限まで低下させ、

エネルギー消費を節約しながら

動物たちは生き延びるのですね。

 

また変温動物である爬虫類や両生類は

体温を維持する能力を持っていません。

 

気温が低くなると体温も下がってしまい、

正常な生活ができなくなることから

冬眠をすると言われていますよ。

 

 

 

冬眠する動物と冬眠しない動物の違いって?

爬虫類や両生類などの変温動物

主に冬眠する動物と言われています。

 

前述した通り、恒温動物の哺乳類

自身の力で体温を一定に保てるため、

一部の小型の哺乳類以外は冬眠しません。

 

大型のクマは特殊な例で、

冬場に食料がないため

冬眠(冬ごもり)すると言われていますよ。

 

小型の哺乳類であるコウモリヤマネ

シマリスなども恒温動物になりますが、

体温を維持するのに

大量のエネルギーを必要とします。

 

しかし食料の少ない冬は

体温を維持するだけの栄養が取れないため

冬眠せざるを得ないのです。

 

ただ、同じ科の動物でも

種類によっては冬眠しない動物もいますよ。

 

たとえばリス科では

シマリスは冬眠しますが

エゾリスは冬眠しません。

 

この理由は、エゾリスが

冬場に餌を見つける能力に

長けているからと言われています。

 

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冬眠中の動物はどんな状態なの?

冬眠中の動物の様子

なかなか自然界や動物園では

見ることが出来ませんよね。

 

では一体、冬眠する動物は

どのような状態で冬眠しているのでしょう?

 

まず、冬眠中は基本的に

体温が外界の気温と同じくらいまで

下がるのが一般的です。

 

そして呼吸数心拍数を減らし、

エネルギーの消費を最小限まで節約しています。

 

冬眠する動物の多くは、冬眠前に

脂肪を体重の約30%から40%体内に蓄えて

冬眠中の代謝エネルギー源としています。

 

冬眠中は少ないエネルギー源で過ごすため、

最小限の消費に抑えているのですね。

 

 

 

動物が冬眠する時期はいつからいつまで?

次に、冬眠する動物は

いつからいつまで冬眠するのでしょう?

 

基本的には、10月下旬ごろから

秋になり涼しくなってくると、

冬眠する動物たちは食料を蓄え

冬眠に入る準備をし始めます。

 

ただ、爬虫類や両生類などは

逆に餌を食べることをやめ、

消化で使用するエネルギーの消費を

最小限に抑えます。

 

これも冬眠に入る準備ですね。

 

そして外気温が寒くなり始める

冬の始まりから春までの数か月、

だいたい12月~4月が冬眠期間になります。

 

ただし地域によって大きく異なるのと、

冬眠する動物によって個体差がありますよ。

 

 

 

冬眠する動物は、なぜ動物園では冬眠しないの?

最初にご紹介した冬眠する動物の中には

動物園で良く見かける動物

多く含まれていますよね。

 

では、動物園ではなぜ冬眠をせずに

一年中動物に会うことが出来るのでしょうか?

 

答えは動物が冬眠をする

最大の理由にあるんです。

 

動物が冬眠をする理由は、

食料問題から厳しい冬を乗り切るためと

先ほどお伝えしましたよね。

 

ですが、動物園にいる子たちは

冬でも餌に困ることがないので、

秋に食料を蓄える必要がないのです。

 

皮下脂肪の厚さも普段と変わらず、

冬眠するための体の機能が

動物園では切り替わりません。

 

そのため、動物園の動物たちは

冬眠をすることがないのです。

 

しかし中には、上野動物園のように

「冬眠チャレンジ」を

行っている動物園もありますよ。

 

冬眠チャレンジとは冬眠部屋を作り、

動物本来の生理・生態に合った

冬眠をさせることを目的に行っています。

 

動物の冬眠は

まだまだ解明されていない点も多く

研究としても行われているそう

 

間近で冬眠している動物を

見てみたいものですね。

 

 

人間は冬眠できるの?

冬眠する動物のように、

人間も冬を眠って過ごすこと

出来たら良いですよね。

 

ですが残念ながら、今のところ

人間の冬眠は不可能と言われています。

 

基本的に人間のような恒温動物は

体温を維持するために

常にエネルギー消費が必要です。

 

そのため人間は、

眠らない食べない状態が続くと

目覚めることが出来ずに

死んでしまうと言われていますよ。

 

また人間の体温を

強制的に30度以下に下げると

体温調節機能が働かなくなり、

20度以下になると

心臓の働きが止まってしまいます。

 

基本的に人間の体の機能は

冬眠する動物のように備わっておらず、

冬眠には適応外に出来ているのですね。

 

しかし人間が冬眠した事例として

世界的に話題になった例があります。

 

ひとつは日本の事例

2006年に起こりました。

 

六甲山で崖から転落し負傷した男性が

遭難2日後から発見されるまでの23日間、

意識不明で食料も水も取らず

体温が22度だったにも関わらず

後遺症なく回復したのだそう

 

発見されるまでの間の臓器の機能

ほぼ停止していたと考えられており、

冬眠に近い状態だったのではないかと

言われています。

 

もうひとつは、2011年に

スウェーデンで起きた事例で、

林道で約2か月間も雪に埋もれた

車の中にいた男性が救助され、

生存が確認されています。

 

この事例も食料も水もなく

体温は約31度。

 

体力も消耗することもなく

エネルギー消費が最小限だったことで

生存できたのであろうと言われています。

 

上記の例は特殊な事例ですが、

このまま研究が進めば

いつかは人間も冬眠が出来る日

やってくるかもしれませんね。

 

 

 

冬眠中の動物は餌や水は口にしないの?

動物が冬眠する理由については

お分りいただけたかと思いますが、

冬眠の間、動物たちは

一度も餌や水を口にしないのでしょうか?

 

これは動物の種類によって

大きく異なります。

 

先ほどもお伝えしたように、

爬虫類や両生類のヘビやカエル、亀などは

餌を食べて消化するエネルギーさえも

最小限に抑えているため

冬眠中は一切餌を食べません。

 

そして冬眠する最大の哺乳類、

クマも冬眠中は一切何も口にしません。

 

クマは冬眠の前に栄養をたっぷりと蓄えて

眠ることで消費を抑える能力があります。

 

そのため夏から秋にかけて食いだめをして

冬眠中のエネルギーにしているのです。

 

ちなみにリス類は特殊な冬眠の仕方で

餌となる木の実などを

冬眠する場所に蓄えていますよ

 

そして冬眠中も数日に一度、

蓄えている餌や水を摂取して

食事と排泄を終えるとまた眠りにつきます。

 

冬眠の仕方も動物によって

少しずつ違うのですね。

 

 

 

冬眠する動物が冬眠途中に起きることはある?

 

ではリス類以外の冬眠する動物は、

冬眠の間は一度も起きないのでしょうか?

 

実はこれも動物の種類によって

変わってくるのですが、

基本的に一度も起きないということは

ありません。

 

爬虫類や両生類は

外気温とともに冬眠するので、

何らかの理由で気温が上がれば

冬眠から目覚めます。

 

そのため飼育下で

冬眠させないようにするには、

気温を下げないことが

とても重要なポイントですよ。

 

リスなどの小型哺乳類は

数日~数週間単位で体温が上がり、

排泄や餌を食べた後再度眠るという行為を

冬眠が空けるまで繰り返し行います。

 

そしてクマの冬眠は

体温の低下が少ないため、

わずかな刺激で目が覚めてしまいます。

 

しかし、基本的にはずっと

うとうとしている状態なので、

しっかり目覚めて活動したり

餌を食べたりすることは

無いと言われていますよ。

 

いかがでしたでしょうか?

 

一概に冬眠をする動物と言っても、

種類によって様々な冬眠方法があることが

お分かりいただけたかと思います。

 

自然界の冬は厳しいので、

生態が適応していったもの

冬眠になるのですね。

 

しかしまだ冬眠のメカニズムに関しては

分かっていないことも多いので、

これからまた研究がされていくことでしょう。

 

いつかは人間も

冬眠できる日がやってくるかもしれませんね。

 

以上『冬眠する動物のまとめ一覧!冬眠する理由や動物園ではなぜ冬眠しないのか?』の記事でした。

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